未知株式会社
代表取締役CEO
2007年、ITベンチャーに新卒で入社。同年、株式会社フリープラスの創業に参画。2011年に取締役(WEBマーケティング事業管掌)、2015年に取締役(マーケティング事業管掌)を歴任。同社のインバウンド事業の根幹を作り上げる。2017年に退社し、コンテンツマーケティングとPRを掛け合わせた『ファンマーケティング』を軸に未知株式会社を創業。現在は、ファンマーケティングにとらわれず、コーポレートブランディングサイト制作などを通して企業の魅力を最大化する事業を手掛ける他、経歴などにとらわれない「ポテンシャル採用」の普及に精力的に取り組む。
未知株式会社では、企業本来の魅力を掘り起こして最大化する「コーポレートコーディネート事業」に取り組んでいます。わかりやすく言うと、洋服をコーディネートするように企業の魅せ方をデザインし、最適な方法で発信や表現をしていくお手伝いをするものです。
魅力を伝えるためのプロダクトとして、コーポレートサイトや採用オウンドメディア、社員インタビュー、ドキュメンタリー風の動画などの制作を行っています。どんな手法で発信していくかは各社の課題に合わせて提案し、営業力や広報力、採用力の強化を目指すことが可能です。
弊社のクライアントが抱える悩みは大きく2通りあります。
1つは「企業やサービスの認知度が低い」「集客はできても成約率が低い」など、営業面の課題。もう1つは「求人への応募が少ない」「面接や内定を辞退されてしまう」など、採用面の課題です。
後者は、特にエンジニアや営業マン、介護士などの獲得に悩む企業から多くのご相談をいただいています。
一般的な制作会社との大きな差別化ポイントは、プロダクトの制作に入る前のコンサルティングに重きを置いている点です。
弊社ではまず、経営者に対して徹底したヒアリングをし、潜在的な魅力や隠れた課題などを掘り起こします。
特に「どんな会社だと思われたいか」という点は、そう考えるに至った個人的な背景まで深掘りするように意識しています。
また、一般的なホームページ制作会社のように、プロダクトを公開したら終了ではありません。
経営者の考えは日々めまぐるしく変化し、それに伴い事業内容も成長・変化を続けます。そのため、一般的な制作会社のように「作って終わり」や「数年に一度のリニューアル」では、こうしたスピードに対応しきれません。
そこで弊社では、最長でも3か月に1回のペースで振り返りを行い、ホームページの情報を常に最新の状態に保つお手伝いをしています。必要に応じて柔軟に対応し、日々変化する経営者の考えをホームページに反映できるよう伴走いたします。
私は、他の経営者のお話を聞くのが好きで、さまざまな方と会食をします。経営のビジョンや事業内容はもちろん、創業までの歩みや創業後の成長、社員の教育方針、自社への思いなど、いろいろなお話から学ばせていただいています。
ところが、会食後にコーポレートサイトを見ると、話してもらった内容の2割ほどしか表現されていないことが大半。言い換えれば、企業の良さが2割しか伝わらない状態なのです。
魅力が伝わらなければ、仕事の受注や人材採用の機会損失にもつながります。たとえば、サイトを見た不特定多数の訪問者が、その会社の強みや実績を完全に理解できず、別の会社を選ぶことになったり、採用に関心を持った候補者が「自分に合わないかもしれない」と誤解して離れてしまうことが考えられます。
多くの企業がLPやマーケティング施策に注力し、PDCAを回してCPA最適化を図っているのに、コーポレートサイトや採用サイトは更新頻度が低く、情報が古いまま放置されているケースが多いんですよ。
すごくもったいないことだと思いませんか?
だからこそ弊社では、そういった企業のサイトをリニューアル・ブラッシュアップし、企業の魅力が100%伝わるようなサポートをしたいと思っています。
実は、弊社はもともとマーケティング支援が主力事業でした。しかし、まずは商材を売り出す企業そのものの魅力を可視化して土台を整えなければ、マーケティングの効果を最大限に発揮できません。そう考えて生まれたのが、弊社のコーポレートコーディネート事業です。
これまでトータルで300社以上を支援してきましたが、中でも産廃処理施設を運営する企業の事例が特に印象に残っています。
そのときは、求職者に向けたアピールを強化したいとの依頼だったのですが、経営者に自社の売りを尋ねてみたら「ごみ処理場の仕事は良いイメージを持たれておらず、アピール点がない」と返答が。
しかし、対話の中で深掘りしていくと、自治体からの委託事業という安定性、子育て中の女性でも働きやすいシフト、ごみを適正に処理して街をきれいに保つという「当たり前」を支える仕事である点など、クライアント自身も気づいていなかった魅力がたくさんある仕事であることがわかりました。
そこで、これらの魅力を効果的に伝えるためにコーポレートサイトと採用サイトをリニューアル。その結果、サイトのアクセス数は2倍に増加し、エントリー数は6倍に達するという成果を実現しました。
私は、100社あれば必ず100通りの魅力があると考えています。ただ、それを自覚していない企業や、どう表現すればいいかわからない企業は少なくありません。
その隠れたポテンシャルを整理してWEB上のプロダクトに落とし込む、いわば「経営者の頭の中を可視化する」のが弊社の仕事です。経営者と共に創業の想いやビジョン、実績を整理し、それを知見としてまとめ、Webサイトやコンテンツに落とし込むことで企業の魅力を全面的に伝えるサポートを行っています。
弊社は企業だけでなく、人の隠れた魅力や才能を引き出すことにも力を入れています。
「世の中にはできない人なんていない」、それが私の持論です。一見「できない」と評価されている人も、伸びるポイントを見つけられれば誰でも成長できます。
そういう可能性を秘めた人たちを1人でも多く発掘し、才能を開花させて活躍の場を生み出す。そうすることで、日本全体の価値も上げられるのではないでしょうか。
また、学歴や職歴、髪の色などの外見からの印象、マイノリティとされる個性などを理由に、就職で苦労する人は少なくありません。しかし、その人の価値を決めるのはそこではないはずです。
弊社ではそのような観点ではなく、人柄や可能性を重視した「ポテンシャル採用」を進めています。
弊社では、これまで転職市場では評価されづらい職歴を持つ社員や、前職の社風に馴染めなかった社員が、自社で大きく成長し、活躍している事例が多数あります。この経験を活かし、自社をロールモデルとして、「ポテンシャル採用」の重要性を社会に広めていくことを目指しています。
さらに言うと、弊社ではゆくゆくは粗利5億円の子会社を100社つくるという構想を掲げています。
まずは社内で新規事業を立ち上げて成長させ、そこで結果を出した社員を子会社の社長として独立させていくイメージです。理念に通じてさえいれば、事業内容はマーケティングやブランディングに関連していなくても構いません。営業代行事業や介護事業など、可能性はさまざまです。
これらの子会社でもポテンシャル採用を実践し、グループ全体で「世の中にはできない人はいない」というメッセージを伝えていきたいのです。
最終的には、ポテンシャルを持った人々が大成した結果を示して厚労省に働きかけ、経歴などを理由にした就職差別をなくせるような法律を作りたいと考えています。
弊社のメンバーには、全員が「人生をかけて成し遂げたいこと」を持っているという共通点があります。その成し遂げたいことと、弊社が掲げる「世のポテンシャルを飛躍させる」というミッション、そして「全ての人が輝く世界に変える」というビジョンがリンクしていること。それが弊社が求める人材像です。
そこがしっかりとリンクしていれば、同じ方向を向いて仕事ができます。会社の理念を追求することが、自分が成し遂げたいことの実現に直結するわけですね。
みんなが同じ思いで働いているため、弊社の理念に心から共感できる人には居心地が良い職場だと思います。
ただ、初めから企業文化の浸透がうまくいっていたわけではありません。私が目指すものと社員が思い描くイメージにギャップが生じたことで社内の雰囲気が悪くなり、退職者が相次いだ時期がありました。
当時はこの危機を乗り越えるため、私は「みんなを裏切ることは絶対にない」とストレートな気持ちをぶつけ、改革に乗り出しました。
まずは会社のバリューを刷新し、それを社内に浸透させるためのプロジェクトチームを発足。バリューを体現した社員の表彰制度を始めたり、仕事中にあったうれしい出来事を共有する習慣を根付かせたりして、改めて理念を深く共有しました。結果的に、組織の状態としては最高と思えるくらい雰囲気も改善しましたね。
私は、これからキャリアを積んでいく若い人たちに対し、何を成して人生を終えたいかを考えてほしいと伝えたいです。大それた夢である必要はありません。初めは解像度が低くても、時間とともに変わってもいいんです。
弊社では、それぞれの社員が掲げる成し遂げたいことを着実に実現するため、段階的な目標を細かく設定して常々振り返るように促しています。自分が思い描く姿に近づくためには、何をしていけばいいのか。それを突き詰めることで、仕事は楽しくなっていくのだと思います。