CEO’s

【日本をリードする経営者・早川周作の挑戦】リモートワークを推進し、未来の働き方を表現する

SAMURAI CEO2025

株式会社リモートワーククラウド
株式会社コミュニティラボ
代表取締役社長

早川 周作

1981年生まれ、広島県出身。国内コンサルティング会社での勤務を経て、23歳で飲食業界で起業。その後、ベトナムで現地法人を設立し、店舗ビジネスやオフショア事業などを手がける。帰国後、2020年に株式会社エンジニアプラス(現・リモートワーククラウド)を設立し、ベトナムの優秀なエンジニアと連携したシステム開発などに着手。2022年2月には株式会社コミュニティラボを立ち上げ、2社で連携しながら中小企業のDX導入を支援している。

ただのシステム開発会社ではない。事業の企画段階から一貫サポートする。

私は現在、株式会社リモートワーククラウドと株式会社コミュニティラボの2社を経営し、中小企業向けのDXソリューションを提供しています。

特に、「ヒト・モノ・カネ・情報」の4つの切り口から、経営課題の解決を支援しています。

具体的には、優秀なリモート人材の登用をサポートする採用コンサルティング(ヒト)や、海外エンジニアと連携したシステム開発(モノ)、DX化を促す補助金採択に向けたコンサルティング(カネ)、そしてリモート人材のマネジメントに役立つ人材管理システムの提供(情報)という4事業を展開しています。

なかでも引き合いが強いのは、補助金コンサルティングです。企業のDX化を支援するための補助金には、経産省による事業再構築補助金やものづくり補助金などがあり、企業にも強いニーズがあります。

補助金コンサル部門は、株式会社コミュニティラボが担当。業界トップクラスの中小企業診断士や元審査員などがチームとなって、クライアントのビジネスプランの設計段階から参画し、採択に向けてサポートします。いわば「補助金コンシェルジュ」のような存在です。

また、会社にとっては補助金が取れればそれで終わりではありません。

システム開発部門との連携により、クライアントのビジネスプラン遂行のために必要なシステム構築から販促支援まで、一気通貫で関わっています。

開発するプロダクトはWebシステムやモバイルアプリ、業務システムなどさまざま。

クライアントとのコミュニケーションや上流設計は日本人エンジニアが担い、下流工程はベトナムオフショアと連携することで、品質とコストの両立を実現しています。

これまでに、AIアプリを実装したジム経営や、各地でマルシェイベントを開催する企業のオンラインマルシェ立ち上げ、マッチングアプリへのバーチャルアバターを使ったお見合い機能の実装など、多様な案件を受託してきました。

中小企業の社運をかけたプロジェクトも多く、着想段階から事業のグロースまでサポートできることは、私たちの強みであり大きなやりがいでもあります。

補助金コンサルの成功が案件増加のトリガーに

2020年の創業時は、エンジニアプラスという社名でスタートを切りました。

当初はベトナムで法人経営していた頃の人脈を生かし、「海外の優秀なエンジニアを日本の国力に」というミッションで、海外エンジニアを日本の中小企業にリモートで供給する代理店事業を手がけていたんです。

初めはなかなか案件の受注につながらず、苦難の日々でしたね。事業開始から半年間、なんと売り上げはほぼゼロ。融資などを活用しながらなんとか食いつなぎ、試行錯誤を重ねていました。

業績が好転し始めたのは、システム開発と大型補助金との親和性に注目し、補助金コンサル事業に着手するようになってからです。

優秀なビジネスプランを書かなければ採択されないので、必死になって書きました。

そのプロセスで、事業設計に関わるということは、クライアントがどんな課題を持ち、DX化によってどのように解決したいのかまで把握できるということです。

クライアントからすれば、自社の事業計画に精通している会社がシステム開発もできるなら、そこに任せようという発想になりますよね。このような流れで、システム開発まで一貫して任せてもらえる案件がどんどん増えていきました。

結果、1期目には900万円ほどだった売上高が、2期目には10倍以上に成長。今では補助金の採択率は約85%を超え、累計採択額も40億円を超えています。

補助金コンサル業界では10~20%程度の成功報酬が一般的ですが、私たちは半値程度の3%~8%で提供しています。それが「安かろう悪かろう」ではないことは、確かな実績と採択率の高さからおわかりいただけるでしょう。実際に、クライアントからこの価格で成果を出すのでびっくりされて、他の案件も紹介いただくことが多いんですよ。

これらの成功の背景には、本当に優秀な人材を厳選して採用してきたことがあると思っています。私の経験上、いつだって採用がブレイクスルーでした。

販管費も含め、余計なコストをかけないスリムな経営(クラウド経営)に取り組んできた結果、顧客利益に寄ったサービス設計が実現し得るのです。

リモートワークをもっと自由に。自律型人材が生み出す可能性

私は創業当初から、「好きな人と、好きなことを、好きな人のために働く」という価値観を一貫して決めていました。

また、現在も経営戦略の一つとして重視しているのが「自律分散型組織」を作ることです。そして、リモートワークがその鍵になることは間違いないと思っています。

優れたリモート人材は自律性が高く、働き方や生活スタイルの自由さを生産性にしっかり変換できています。

コロナ禍の収束に伴うオフィス回帰の動きが活発化している一方で、本当に優秀な人は独立し、今でもリモートで活躍し続けています。そんなメンバーを集め、時間や場所に縛られない最強のチームを作りたい。

この想いのもと、リモートワークで生産性を高めるための社内インフラの整備に、億単位の投資をし続けてきました。

現在、私たちの職場には50人ほどのメンバーがいます。そのうち、正社員は社長である私と役員の2人のみ。他はみんな業務委託のリモートワークで自由度高く働いています。他に本業を持つメンバーも多いです。

創業5期目である2025年の売上高は、5.5億円を達成しました。大半が業務委託のリモート組織でこれを実現できたのは、メンバーそれぞれが自走する力を持っているからにほかなりません。

普段は、お互いの顔が見えないリモート組織だからこそ、マネジメントやバリューの浸透には気を遣ってきました。定期的な1on1ミーティングによってメンバーの課題を把握したり、会社のバリューを体現していると思うメンバーに全員が投票し、得票数に応じてボーナスの額が決まる「投票ボーナス制度」を導入したり……。良い人材は採用後も活躍してもらわなければ意味がないですからね。

ちなみに、サービスの一つとして提供している人材管理システムには、社内で実践してきたマネジメントノウハウを詰め込んでいます。

「こんな人になりたい」が自分の居場所を決める

今後は、2027年までに年商10億円を達成する目標を掲げています。リモート中心の組織でも、キーエンスのような一流企業を超える1人当たりの生産性を実現できると世の中に示していきたいですね。

弊社には年間3,000人ほどの応募がありますが、採用者は上位の精鋭のみ。「Social Thinking(高い視座と思いやりを持つ)」「Self Starter(自ら仕事を創造し、先手先手で行動する)」「Stoic(行動を追求する​)」の3要素を採用基準とし、厳しく見極めています。

狭き門ですが、採用されればパラダイスですよ。柔軟かつ効率的に働くための社内システムが充実しているし、四半期ごとのボーナスに加え、プロジェクト完了ごとにもボーナスを支給します。ハイレベルな研修への参加もサポートするなど、成長への投資も惜しみません。

特に、優秀なメンバーとともに働くことは間違いなく良い刺激となるでしょう。やはり、成長したければ優秀な人がいる環境に身を置くのが一番なんですよね。これは学歴の話ではありません。「こんな人になりたい」と思える仲間と過ごして切磋琢磨しているうちに、だんだんと似てくるというのが私の持論です。

これを読んでいる若い方には、自分の周りにいる人たちについて、「こうなりたいと思えるか?」を考えてほしいです。そうすれば、おのずと自分の居場所が見えてくるはずですよ。

若いということは、それだけで貴重な価値があるもの。私は20代の頃に戻れるなら、喜んで10億円を差し出しますよ。

そんな貴重な期間を惰性で過ごすのはもったいないと思いませんか?自分の身を大切に守り過ぎると、だんだんと腐っていってしまいます。

死んだように生きることと、死ぬ気で生きることとは大違いです。みなさんが自らの価値を理解した上で、命を懸けてでも成し遂げたいことに出会えることを願っています。