株式会社IoTコンサルティング
代表取締役社長
1983年9月、東京生まれ。2006年3月に、慶応義塾大学 法学部 政治学科を卒業。同年4月に新卒で株式会社光通信に入社。財務・広報・IR部門などを経てゼネラルマネージャーとしてMVNO事業など、さまざまな新規事業の立ち上げに参画。2013年に独立し、約3年で黒字化を達成。その後、さらなる成長機会を求めて上場会社に株式を売却。買収先の上場会社の役員を経て、2018年に再び独立。現在はIoT領域を対象としたM&A戦略を中心に、事業を拡大中。また、経営者を志す学生インターンや、ITエンジニアを志す若手未経験者に対して、実践的な成長機会を提供するなどの人材育成にも注力している。
株式会社IoTコンサルティングは、個人向けWi-Fiサービス事業からスタートしました。当初は個人のお客様が中心でしたが、IoT機器の進化とともに法人向けのニーズが急速に高まり、現在では「ロケットモバイル」「ロケモバWi-Fi」「ロケットモバイルZ」の3つのサービスを柱として展開しています。
私たちのサービスの最大の特徴は、低コストで定額制という点です。従量課金とは異なり、使用量による費用の変動がないため、お客様は長期的な予算計画を立てやすく、10年単位のプロジェクトでも安定した運用が可能です。そのほか、法人向けサービスでは遠隔監視やデータ収集など、さまざまな用途でご活用いただくことができます。このような特徴が評価され、現在では業種問わず2,500社以上の企業様にご利用いただいております。
IoT技術の活用例は幅広く、例えば建設業界ではバックホールの遠隔操作が可能になり、従来は作業員が常駐して行っていた操作や監視が、IoT技術により離れた場所から行えるようになりました。
農業分野では、熟練農家の経験と勘に頼っていた判断をデータに基づく科学的なアプローチに変え、新たな可能性が開けてきています。温度、湿度、日照量などの環境データを常時収集し、AIによる分析を加えることで最適な栽培条件を導き出すことができるのです。これにより、経験の浅い若い世代でも質の高い農業経営が可能になりつつあります。
製造業でも、工場の設備監視や生産ラインの管理にIoTが導入されています。センサーで収集したデータはリアルタイムで分析できるので、不良品の発生を防いだり、設備の故障を予測したりすることができます。人手不足が深刻な製造現場において、IoTによる効率化はもはや選択肢ではなく、必須の選択であると考えています。
このように、IoTによる変革は単なる省人化や効率化を超えた価値を生み出しています。経験やスキルの継承、データに基づく意思決定、予防保全による安定操業など、さまざまな面で事業価値を高めているのです。
若手人材の育成は、私にとって特別な思い入れのあるテーマです。今の10代~20代の若者たちは、将来への不安や閉塞感を抱えています。彼らにはポテンシャルがあり、大きな可能性が眠っているはずなのに、今の時代ではなかなかそれを発揮できる機会がありません。もし彼らが戦後や幕末の動乱の時代にいれば、もっと思い切り能力を発揮できたのでは…そんな思いから、私たちは意識的に挑戦の機会を作り出すようにしています。
現在、弊社には10名のインターン生が在籍していて、毎月1〜2名の新たな仲間を迎え入れています。彼らの約8割が「将来は起業したい」という志を持っていますが、現時点で具体的なビジネスプランがあるわけではありません。そこで私たちは、積極的にスモールビジネスの権限を委譲し、実践的な経験を積める場を用意しているのです。
例えば、M&AしたWebメディアやECサイトの運営を任せたり、数百万円規模のマーケティング予算の管理を任せたりしています。中には月に500万から600万円の売上を上げる営業担当もいますし、グループ会社の代表としてチャレンジする者も出てきています。社内に蓄積されたノウハウを活用しながら、実践の中で成長していく。それが私たちのスタイルです。
私の経営哲学の根幹は、「理不尽な組織にしない」ということです。例えば、必要なリソースの提供もせずに無謀な数字を掲げさせ、達成できないことを責めるようなことはあってはなりません。その一方で、適切な環境は提供しますから、それを最大限活用することは強く求めます。失敗を恐れずに全力でチャレンジできる環境の中で、一人ひとりが着実に成長していく。それこそが、私たちの目指す姿です。
また、インターン生の受け入れでは、個々人の志向や適性も大切にしています。学生には、「起業志向が強い」「大手企業でのキャリアを目指している」「まだ自分の方向性が定まっていない」など、さまざまなタイプがいます。いずれにせよ、それぞれの可能性を最大限に引き出せるよう、柔軟に挑戦の機会を提供してあげたいですね。
私の経営者としての原点は、日本のブランド価値を世界に発信したいという思いにあります。約10年前、日本のコンテンツを世界に発信する事業を立ち上げました。具体的には、Web漫画の翻訳配信サービスで、これによって一定の成果を上げることができました。
しかし、その経験を通じて気づいたのは、もっと大きな可能性があるということです。アニメや漫画といったコンテンツに限らず、日本には素晴らしい価値を持つものが数多く存在します。伝統工芸品、食文化、観光資源、そして「ものづくり」の技術や精神。これらは紛れもなく、世界に誇れる日本だけのブランド価値なのです。
例えばヨーロッパでは、LVMHグループのように、ファッションブランドやお酒のブランドなど、さまざまな高級ブランドを束ねて世界的な評価を得ている企業があります。同じものを売るにしても、ブランド価値によって付加価値は全く異なります。日本にも、そういったポテンシャルを秘めたブランドが数多く眠っていると思うので、私たちの力で世界に向けて発信したいと思っています。
もちろんこういった大きな挑戦のためには、存在感や社会的信用はもちろん、資金力、そして十分な実績といった基盤が必要不可欠であり、現在のIoT事業はその基盤を築くための重要なステップといえます。そのため、このビジネスを進めるにあたって、私たちは長期的な視点を特に重視しています。お客様との継続的な関係構築を通じて安定した収益基盤を確保する「ストック型」のビジネスモデルこそが、私たちの目指す大きな挑戦への足掛かりになる、そう考えています。
また、将来的に挑戦したいと考えているもう一つの領域が、「ものづくりの事業承継」です。日本の中小企業が抱える後継者不足の問題は、単なるマッチングの課題ではありません。伝統的な技術やノウハウを守りながらも、IoTやデジタル技術で新たな価値を創造する。そんな「伝統と革新の融合」にも取り組んでいきたいと考えています。
私たちはこれまで、IoTを通じてさまざまな業界の課題解決に携わってきました。その経験を活かし、伝統産業の未来を切り拓くためのプラットフォームづくりを、これから着実に進めていきたいと思います。
これまで30名以上のインターン生が私たちの組織で学び、その後、さまざまな道を歩んでいます。起業した方、大手企業に就職した方、さらなる挑戦のために留学を選んだ方。それぞれが自分なりの道を見つけ、活躍しています。
私たちのインターンシップの特徴は、「実践」を重視している点です。週1回からでも参加できる柔軟な制度設計ですが、その中身は非常に濃密です。M&Aのプロジェクトに参加したり、新規事業の立ち上げに携わったり、時には数百万円規模の予算管理を任せたり。これは特別なことではなく、私たちが当たり前のように取り組んでいることです。
また、エンジニア志望の学生には、実際のIoTプロジェクトへの参加機会も提供しています。システム開発やデータ分析など、実務経験を積みながらも最新の技術トレンドに触れることができるのです。これらの実践的な経験は、必ず将来のキャリアの糧となるでしょう。
経営者として特に感じるのは、今の若い世代には大きな可能性が眠っているということです。確かに、今の時代は将来が見通しにくく不安も多いと思います。しかし、それは裏を返せば、新しい価値を生み出すチャンスが無数に存在するということでもあるのです。
私が皆さんに期待するのは、「自分の可能性を信じる勇気」です。たとえ今は具体的な目標が見えていなくても、実践の中から必ず道は開けてきます。私たちの組織は、そんな若者の挑戦を支援する場でありたいと考えています。
インターンシップは、単なる就職活動の一環ではありません。自分の可能性を試し、実践的なスキルを身につけ、将来への展望を広げる。そんな成長の機会として活用して欲しいです。「こんなことに挑戦してみたい」「こんな経験を積んでみたい」という思いがある人は、ぜひ一度話を聞きに来てください。
私たちは、若い世代と共に未来を創っていきたいと考えています。テクノロジーの力で社会を変革し、日本の新しい価値を世界に発信する。その挑戦に、皆さんの力を貸してください。共に成長し、共に未来を切り拓いていきましょう。