社会保険労務士法人 大槻経営労務管理事務所
代表
1972年4月、東京生まれ。明治大学大学院経営学研究科経営学専攻博士前期課程修了。特定社会保険労務士、傾聴アソシエ、採用定着士、ジョブオペ認定コンサルタント、仕組み経営コーチ、承認コミュニケーター。創業50年、750社を超えるクライアントを支援する社会保険労務士法人・大槻経営労務管理事務所の代表社員。労務トラブル、採用、目標管理、評価制度、業務改善、経営仕組み化支援まで職場の問題解決から課題解決までを手掛ける。著書に『働きやすさこそ最強の成長戦略である』(青春出版)『規程例とポイントが見開き対照式でわかる就業規則のつくり方・見直し方』(日本実業出版社)YouTubeチャンネル「社労士大槻智之の働く現場のお悩み相談室」など
大槻経営労務管理事務所は、父が創業した事務所からスタートした社会保険労務士法人で、私は2代目の代表です。もともと、次男である私は父の事務所を継ぐことになるなんて夢にも思っていませんでした。何しろ、社会保険労務士(以下「社労士」という)の仕事が何をする仕事なのかすらわかっていなかったのですから。そんなことで、大学卒業後は特にやりたい仕事もなく、「エレベーターガールと仲良くなりたい」という不純な動機で、百貨店に就職しようと考えていたところ、色々な事情が重なり、大槻事務所に入所することになりました。
正直言うと、当時は「仕事が楽しい」なんて1ミリも思っていませんでした。社労士の資格試験の勉強もほとんどせず、やる気のない日々を送っていました。ようやく本腰を入れて勉強を始めたのは結婚してからで、社労士試験に合格できたのは30歳を超えてからでした。
資格を取得してからは幅広い仕事を任せてもらえるようになり、だんだんと仕事が楽しいと思えるようになったのを覚えています。そうして、目の前の仕事を一生懸命やっているうちに、気が付いたら代表になれる自分になっていました。その成長過程でのことです、私の中で”社労士”という仕事観がパラダイムシフトする出来事がありました。
私が業界に入り十数年、30代のころの話です。ある大手企業の人事部長からの依頼で、40歳から50歳代を対象とした希望退職者100名を募るための説明会に立ち会うことになったのです。いわゆるリストラの話でした。当時の私は『労務問題なら大抵のことは解決できる』自信があり、この依頼も二つ返事で引き受けました。静寂のうちに説明会は始まりました。しかし、先の人事部長が壇上に上がった途端にその空気は一変しました。「ふざけるな!」「裏切り者!」などと参加者からのヤジや怒号が飛び交い、会場内は大荒れに。そんななかでも、人事部長はうろたえることもなく、淡々と説明を行い、説明会は終了しました。当時の私は「今回もお役に立てて良かった」なんて思っていました。ところが、それから数カ月たったころに、希望退職者の退職手続きの依頼を受けたため、退職者の100名分のリストが事務所に届けられました。そのリストを眺めていた時に私の中の社労士という仕事観が大きく変わりました。それは、そのリストの中にあの人事部長の名前を見つけたからです。思えばなぜあんなに炎上したのか?それは、リストラの対象者となった皆さんが人事部長の同期や近い先輩、後輩だったからなのだと思います。一緒に苦労してきた同志から発せられたリストラの言葉に我慢できなくなったのだと。人事部長だって「私もみんなと一緒の立場なんだ」言いたかったと思います。それでも、人事部長としての責任を全うし、そして何も言わずに自分自身もリストラに応募して退職したんです。「俺はいったい何やってんだろ?」「もっとやれることあったんじゃないのか?」と思うと同時に社労士という仕事に限界を感じました。労務トラブルの解決も確かに重要な仕事だ。しかし、問題解決では遅い、誰かが不幸になってしまう。社労士は課題を解決する仕事であるべきだ。
私は社労士の枠を超えることを決めました。「社労士はトラブルの円満な解決である」という固定観念をぶっ壊して、「課題を解決し、さらなる成長を支援する」と社労士の使命の再定義しました。そしてこの定義をこれからの社労士像の当たり前にします。
企業が事業を成長させてビジョンを達成するには、人材は重要です。経営戦略を効率的にすすめるためには、人材の採用も重要ですが、早期戦力化のための育成や、その人材が活躍できる環境を整備することなど戦略的に考えることも等しく重要です。しかし、昨今は超採用困難時代とあって採用や離職率低下に躍起になり事業の成長が停滞してしまっているケースが目につきます。
弊社のミッションは、クライアントのビジョン達成です。HRコンサルティング部門では人事労務トラブルの解決、未然防止、成長のための課題解決を支援します。アウトソーシング部門では会社に義務付けられている煩雑な手続きを弊社が行うことでコア業務に集中してもらいます。クライアントには安心してビジョンに集中してもらうことを目指しています。これがオオツキグループのブランド・コミットメント『クライアントを安心させてビジョンに集中させろ!!』の意味するところであり、弊社スタッフ全員の合言葉となっています。
もともとは中小企業が主なクライアントであった社労士業界ですが「働き方改革」によって労務におけるコンプライアンスの意識が社会全体で高まったのをきっかけに、大企業からの依頼も増えてきました。そういった意味では、社労士はより世の中に求められる職業になったと言えるかもしれません。現在、約750社の支援をさせていただいてますが、その中には東証プライム38社、スタンダード13社、グロース6社、プロマーケットもあわせると70社の上場企業もおり、大企業から上場を目指すスタートアップやベンチャー企業、創業100年を迎える中小零細企業まで業界も規模も幅広く支援をしています。それだけの豊富な事例を踏まえて、実践的なアドバイスができるのが弊社の強みです。
社労士にとって、一番の財産とも言えるのは事例です。士業は知識が重要と思われがちですが、私の考えではスキルのうちの9割を占めるのは経験です。実務においては、法律だけでは解決が難しい側面が多いため、知識だけではなく経験に基づくノウハウを駆使してアドバイスをするスキルが必要になります。ですから、スキルを身につけたければ、経験を積む以外にありません。
弊社には、約750社ものクライアントの事例の蓄積があります。さまざまな経験ができる環境で、本物のスキルを効率的に身につけることができるのが、弊社で働く大きなメリットです。また、多種多様な経営者が思い描くビジョンをともに実現してゆく喜びを一緒に味わうことができるのも、弊社で社労士として働く醍醐味のひとつだと思います。
弊社に入社してから確実に力をつけている人たちには、ある共通する特徴があります。それは、率先して手を挙げられることです。既に述べたように、社労士のスキルの9割を占める要素は経験です。「私にやらせてください」と積極的に手を挙げてチャレンジしなければ、スキルをつけるチャンスを逃してしまいます。「やったことがないから」「いつか時が来たら」と尻込みするのではなく、「とりあえずチャレンジしてみよう」というマインドの人の成長には目覚ましいものがあります。
ただし、注意しなければいけないのは、単にチャレンジしたというだけでは、それは「経験」ではなく「体験」であるということです。チャレンジの結果が、失敗であれば問題点を改善する、成功であれば勝因を強化するという作業を経なければ、体験は経験にはなりません。体験を経験に変えてこそ、人は成長できるのです。
弊社には、本気で取り組めば一生使えるスキルを自分のものにできる環境があります。プロとして成長して大きくなりたい、有名になりたいなどの目標があって、本気で取り組める人には、弊社の環境をいかしてチャンスをつかんでもらいたいです。
弊社の企業理念は『働きやすい会社から!働きやすい社会へ!』働きやすい会社を増やして、働きやすい社会を実現することで、みんなが幸せになります。この社会にはさまざまな職業がありますが、仕事をして対価をもらう時点で、それぞれの道のプロフェッショナルです。弊社は、人事労務のプロ集団として、コンサルティングを軸にして、職場環境から世の中を変えていくことを目指しています。
これからの時代を見据えた取り組みの一例としては、弊社専用のAIチャットボットの開発が挙げられます。AIを活用したお問合せ対応とオペレーションの効率化やコンサルティングなど、AIと人のそれぞれの強みをいかしたサービスを提供して、クライアントのビジョン達成の支援に役立てていきたいと考えています。
「世の中を幸せにする」と言うと、大変な社会貢献のように感じるかもしれませんが、やるべきことは、目の前の小さな幸せを日々積み上げていくことだけです。目の前のクライアントを幸せにすることを一生懸命にやっていくうちに、徐々に世の中に貢献している実感がわいてくると思います。多くの経営者の悩みは「人」か「お金」に関することです。社労士の仕事は、さまざまな士業のなかでも、経営者に近い社内的な立ち位置から「人」に関する悩みや課題の解決を支援することができます。クライアントがビジョン達成すれば確実に社会はよくなる。それによって業績が伸びれば、経営者とその家族、そこで働いている社員とその家族も幸せになります。そのためにはどのような支援ができるだろうか?経営を自分事ととらえた視点で考えて行動できる人にとっては、非常にやりがいを感じられる仕事です。そんな気質がある人には、ぜひ弊社で一緒に働いてもらい、一緒に実現させていきたいと考えています。