株式会社シー・エス・エス
代表取締役社長
父の佐川正清が1976年に創業した株式会社シー・エス・エス(以下、シー・エス・エス)に29歳で入社後、開発・営業・管理など各部門を経験したのち、2015年9月、代表取締役社長に就任。就任後は、新規顧客の開拓、新規ビジネスの推進、最新技術の積極的な取り込み、働き方改革、M&Aといった様々な改革を実行し、年商を10億円超伸ばす。ベンチャー精神を持ち続け、常にビジネスモデルをアップデートしている。
当社では、創業当時から続いている証券会社の基幹システムや情報系システムの受託開発、そして私が代表取締役に就任してから新たに開始した、クラウド事業、データ分析事業、さらにBtoBコミュニケーションプラットフォーム「Qube」(SaaS)を新たに開始するなど、ITの枠の中で幅広い事業を展開しています。
SaaSの新たな展開については、近い将来、従来の労働集約型の受託開発が立ち行かなくなることが確実になっているからです。
労働集約型のビジネスモデルは、売上が社員数に比例します。日本は少子高齢化が進行しており、今後さらに人口が減っていくことが確実です。その為、人材を確保することが非常に困難になります。労働集約型の働き方だけに依存するのは好ましくありません。そのため、ストック型のSaaSを自社で開発し、運営することになりました。
また、シー・エス・エスと同じ証券システム開発が強みの株式会社リライフ・ジャパン(以下、リライフ・ジャパン)をM&Aによりグループに向かい入れ、新たな取引先の開拓やグループとしての相乗効果を高めています。リライフ・ジャパンは、大規模な基幹システムの上流工程や開発のマネジメントに特化しており、更に、プレセールスやカスタマーサポート迄、高度な知識と経験によるサービスを得意としています。
シー・エス・エスが変革する大きな契機となったのが、リーマンショックの影響による、受注の急激な減退です。
当時、証券システムの開発を継続的に受注していたのですが、特定のお客様の依存度が非常に高く、売上の8割弱を占めていました。それが当社の安定となり強みであったのですが、リーマンショックによって先方に大きな影響があり、翌年度、当社への発注が3割ほど減少しました。そのため、私が代表取締役として就任してからは、取引先の分散や技術の多様化によるリスク回避が急務となりました。
そのような背景もあり、新しいお客様の開拓や従来の開発業務以外の事業を立ち上げるのは自然な流れでしたし、結果としてそれらの戦略が功を奏し、企業経営を軌道に戻せただけではなく、2024年度迄の10年間で、年商を10億円以上伸ばすことができました。
また、事業が拡大するにあたって実施しなければならなかったのが、優秀な社員が負担なく、生活と両立しながら働く環境を提供する為の「働き方改革」です。
私が社長に就任する以前は紙の書類による業務が多く残っていましたが、デジタル化を推進することで完全ペーパーレス化を行いました。それにより、重複作業による情報の不整合を防ぎ、作業の大幅な効率化、営業情報の分析による改善、経営のスピード化、リモートワーク等が一気に進みました。
勤怠管理については、以前は月末に勤務表を回収してその時にしか状況を確認できなかったため、残業時間の抑制に対応することが難しかったのですが、勤怠システムを導入することで、リアルタイムで状況を確認することができるようになり、残業の抑制だけでなく、トラブル案件の予兆やエンジニアの生産性の把握等が可能になり、早い段階での対策がとれるようになりました。
ほかにも、仮想デスクトップおよび保守や問合せ等の電話対応としてクラウドコンタクトシステムを導入することで、セキュリティを担保しながら、社内と遜色なく、在宅での業務が可能となりました。これらの、環境改善に加え、社内規定も大幅刷新しました。
さまざまな事業を展開している弊社ですが、競合他社と比べて証券分野に精通し、上流工程に強く、さらには新しいことにチャレンジしている点に強みがあります。
まず、専門資格を持って対応できる社員が非常に多く在籍しています。例えば、証券外務員やファイナンシャルプランナーといった、金融機関の社員が取得する業務に関する資格を、当社のエンジニアが50人以上取得しています。
一般的なシステム開発会社の場合、特定の技術には強いものの、お客様の業務について深い知識を持ち合わせておらず、さらに専門資格までは取得していない会社がほとんどかと思います。対して、シー・エス・エスはお客様の業務に関する深い知識を持ち合わせたエンジニアが多数在籍しているため、高いレベルの開発と導入効果を実現できる強みがあります。
また、20年近く前より下流工程をオフショアで開発しています。オフショア先に対するマネジメントを正確に行い、開発全体のコストダウンと人材不足に貢献しています。
社歴の長い会社は変化に対して腰が重い印象があるかと思いますが、当社の場合は常に新しいことにチャレンジを継続しています。最近では、他社よりも先駆けて、生成AIによる開発効率化、RAGなどのエンジニアリング、AIのライティングによる提案書作成なども積極的に行っています。
また、昨今は、証券システム開発のノウハウを活かし、金融以外の中堅・中小企業のデジタル化を推進しています。特に、社歴の長い不動産、製造業、建築業といった、過去の働き方、業務環境の状態を継続している企業様に対し、少子化に備えるための生産性向上のご支援を積極的に行っています。
そのような企業様は、ITへの投資余力はあるものの、ノウハウがないため、どこを改善するべきか見当がつかず、デジタル化に躊躇しているお客様も多いと想定しています。さらに、システム会社との付き合いも皆無で、相談先についてもお困りであると思われます。
そのため、弊社ではWebを通じてデジタル化に関する情報発信を行い、より多くのお客様に必要性を訴え、当社によるご支援の切っ掛け作りを行っています。
2015年以降、私が代表取締役社長として就任して直ぐに、働き方改革を強力に推進しましたが、それに加えて、キャリアアップや福利厚生に関しても非常に充実できたのではないかと思います。
まず、キャリアアップの支援として、スキルアップとスキルチェンジの機会を設けています。
新入社員は4か月間の新入社員研修を提供することは当然として、その後もeラーニング教材などを利用して、よりレベルの高い技術を習得できるほか、資格取得支援やセミナー受講、技術関連書籍の購入に関する費用は会社が負担しています。
さらに、上限なしの加点評価制度を設けているのも特徴です。成果や貢献度に応じて報酬に還元しているので、頑張りがしっかりと反映される会社だと思いますね。
また、福利厚生についても、育児・介護関連の制度を中心に、ワークライフバランスを維持する環境が充実しています。制度を実施していることを証明できなければ認定されない厚生労働省の「くるみん認定」「トモニン認定」などを継続的に取得している点が特徴ですね。
プロジェクトメンバーとの良質なコミュニケーションや一体感を作ることを優先し、原則は出社としていますが、家庭の事情等によって在宅が必要な従業員に対しては、積極的にリモートワークを推進しています。
弊社では、自分で物事を考えて動ける「主体性」「行動力」のある人を求めています。
また、ただ仕事をするだけではなく「もっとこうしたい」「次は何をしようか」というようにこだわりや個性を活かしつつ、楽しみながら業務に取り組んでいただくことを望んでいます。
実際に当社のなかでも「自分で考えて」「自分で行動し」「自分で発言できる」という人は早く成長しています。
なかでも行動は欠かせない要素であり、ただ考える、ただ発言するだけでは、なにも達成できません。その後の行動がなければ、考えるだけ、言うだけになってしまうためです。
とはいえ、これらの考えを身につけるのは入社してからでも遅くはありません。シー・エス・エスには成長できる環境が揃っているので、ぜひ新たな考えやスキルを身につけることで自信をつけて、積極的に挑戦する気持ちを少しづつでいいので、つけて行っていただきたいと思います。
シー・エス・エスが掲げているミッションのひとつには「良いことをする」という考えがあります。
これは、社会の発展のために知識や技術を還元したいという想いから立てたものです。しかしながら、既にあるもの、誰でもできることでは価値がありません。そこに自分自身の強みを付加価値として加えた上で対応できるような考えが必要となります。
今後入社を希望してくれる人たちも、同じような気持ちを持って仕事に取り組んでいただければと思います。