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【日本をリードする経営者・松下宇流麻の挑戦】世界の中心で咲き誇れるIT人材の創出を目指す

SAMURAI CEO2024
TheNewGate(1)

株式会社TheNewGate
代表取締役社長

松下 宇流麻

1993年東京都生まれ。2012年に高校を卒業後、都内のWeb系企業や米国企業のAIプロジェクトに参画。2018年4月、豊かな自然環境に惹かれて群馬県で株式会社TheNewGateを設立、代表取締役社長とCEOに就任した。

ITイノベーション × デザインで世界を美しくデザインする

TheNewGate(2)

弊社は「世界の常識をデザインする。」を企業理念に、IT人材を創出するための教育事業に力を入れています。教育事業に重点を置こうと考えたきっかけは、僕自身が米国のIT業界に携わらせていただいたときに、日本のトレンドとの大きなギャップを感じたことでした。

当時、米国ではPython(パイソン)というプログラミング言語が当たり前のように使われていたのですが、日本ではそれを認知している人すらほとんどいなかったのです。日本は今、東南アジアをはじめとするオフショアなどに飲み込まれ、一定のスキル以上を持っている人以外の労働単価もどんどん下がっています。

さらに、2030年には日本国内で40万人から80万人のエンジニアが不足するとも言われています。こうした状況で、どうしたら日本がもっと世界で戦える国になれるのか。そのためには、世界基準の技術力や情報のキャッチアップ能力を持つIT人材が必要だと考えたのです。

だから、僕たちが目指しているのは単にプログラミングの方法論だけを教え、「ITエンジニアになれて良かったですね!」で終わるサービスではありません。ITエンジニアになった後も僕たちのプラットフォーム内で学習を続けていただき、ゆくゆくは海外の企業に就職しやすい状況も創り出せるようにIT業界をデザインしていきたいと考えています。

「自分の手でIT業界を変えたい」と起業

TheNewGate(3)

父は会社を経営し、母も個人事業主だったので、子どもの頃から自分が”就職する”ということを全くイメージできませんでした。家業を継ぐつもりはありませんでしたが、高校時代から漠然と「自分もいずれ経営者になるのかな」とは思っていたんです。そんな中、高校時代に入った草野球チームで出会った恩師に「これからITの時代になるから、絶対に勉強しておいた方がいい」との教えを受けました。そして、高校卒業後は恩師が持っているWeb制作企業にお世話になるなど、たくさんの貴重な経験をさせていただきました。

もちろん、最初から教育事業をやろうと思っていたわけではありません。ただ、「自分の手でIT業界を変えたい」とは考えていました。当時はeコマース業界と密接な会社で働いていたので、「ゆくゆくは現実世界にECサイトが溶け込んでくるだろう」と想像したんです。「それを自分の手で成し遂げたい」と考えたことが起業のきっかけです。

一方、本当に起業すべきかどうかは悩みましたね。考えたのは「自分ができるかどうか」ということではなく、「世の中を変えるためには自分が起業することが最善なのか、あるいはすでに一定の影響力のある会社に入ってポジションをつかむ方が良いのか」ということです。何でもかんでも起業という手段を取れば良いというわけではないということは、今も感じています。そんな中で起業を選択した決め手は「自分がやりたいように事業を動かしたい」という思いが強かったからです。僕たちはお金儲けの観点ではなく、「これまでにないものを生み出したい」「今は市場に求められていないけれど、こういうことをしてこういう世の中にしたい」といった思いから動いています。このように、これらのことをどこかの企業に入って実現するのは難しいと感じたのです。

経営者が軸足を置く思考には、大きく分けて2つあると思います。1つは「お金を儲けたい」。もう1つは「社会貢献をしたい」。僕の場合は圧倒的に後者です。そもそも「世の中を変えたい」「世の中に爪痕を残したい」と考えて起業した経緯もあり、事業を通じて世の中をどれだけ良くしていけるかが使命だと思っています。

「society」「people」「planet」の3つを軸にソーシャルグッドな活動を展開する「TNG Social Design」というプロジェクトでは、障がいのある方を積極的に採用・優遇するハートファースト制度、動物保護団体と連携した保護ネコ活動などに取り組んでいます。社会課題の解決に挑戦することを本業としてやっていけるようなサステナブルな会社をつくりたいですね。

そのような考えを持つきっかけとなったのも、恩師の言葉でした。僕は幸福なことに裕福な家庭に生まれ、何の苦労もなく育ったのですが、恩師に「お前は何かに対する感謝が感じられない」と言われたんです。自分では感謝しているつもりでしたが、その言葉を真摯に受け止め、感謝の気持ちをしっかり表していこうと思いました。そして「ありがとう」という言葉を伝えると喜んでもらえることに気付いて、「人のためになるのは気持ちの良いこと」だとも感じるようになりました。

誰かの人生を変えることができる、魅力ある事業

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「TNG Social Design」でも地方企業とのタイアップなどを通して取り組んでいますが、僕たちの事業では「地方創生」がかなり重要なテーマです。IT業界は東京に一極集中し、地方でITエンジニアになりたい、IT業界に挑戦したいという個人が挑戦しようとしてもなかなか難しいんですね。ようやくリモート化が進んできたと思ったらコロナ禍が明け、やはり対面の現場感にどんどん変わってきています。結局、地方からの参入障壁が上がり始めてしまっています。

僕たちは、どこにいても平等にチャンスを受け取れるような環境をつくりたいと考え、北海道から福岡まで全国10カ所に拠点を置いています。それは単に環境を整えたということだけではなく、「『挑戦したい』という気持ちと熱意、やり遂げる力があれば、IT人材として活躍できるというメッセージを伝えたい」という思いもあります。そのため、僕たちの事業には誰かの人生を変えることができる魅力があると考えています。

仕事をする中でいつも伝えているのは、「仕事の時間は楽しい方が良い」ということです。つまらない仕事をしていると時計ばかり見てしまいますが、人生の大半は仕事の時間です。時計ではなく未来を見てワクワクしながら仕事をできる環境を整える方が、すごく素敵な人生になると思います。そのためにも、謙虚でいてほしいということをしっかり伝えるようにしています。実際に、社内には他人の悪口を言ったり、ネガティブな言動をしたりするメンバーは誰もいません。みんなが気持ち良く、本当に自分がやるべきことにきちんと向き合って働いています。

僕たちが求めている人材は、会社のビジョンに賛同してくれて、それをやりたいと思ってくださる方です。何らかのポジションや役職に就きたいからという理由で選んでいただくのではなく、自分が会社のビジョンを達成していく役割を担ってしっかりと機能していきたいと考えてくださる方が望ましいですね。

目指すのは「天下統一」とIT業界の「開国」

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今後のビジョンをひと言で表すと「天下統一」です。その後、日本のIT業界を世界の中心で咲き誇れるように変えていきたいと思っています。僕自身を含め、日本人は世界中の人とコミュニケーションを取ることが苦手です。もっと「開国」をしてさまざまな価値観をみんなで取り入れ、強い働き手が多い国にしていきたいですね。

就職活動で企業を選ぶ際、収入面を1つの軸とされる方もいらっしゃると思いますが、それだけだといつかどこかでつまらなくなってしまうと思います。今は転職時代と言われますが、1つのことを長く続けられない方に対する企業の評価は非常に低いんです。どこまで時代が進んでも、1つのことを長く続けられる方が最も価値のある人材になれると思います。

また、長く続けられなければ何もスキルが身につきません。1つのことをしっかり尖らせられる方は少ないからこそ価値があるという真髄はいつまでも変わらないと思うので、本当に自分のやりたいことができる企業を選んでほしいと願っています。