SAMURAI CEO 100
SAMURAI CEO 100

【日本をリードする経営者・尾上幸裕の挑戦】「チャレンジあふれる未来をつくる」を支える

FCE(1)

株式会社FCE 取締役
尾上 幸裕

和歌山県で生まれ、母親の影響により、幼少期から商売の道を歩むことを夢見る。2002年に同志社大学商学部を卒業し、経営者になるという夢を実現することを決意。「3年で経営者になるための力をつけることができる企業家輩出」の理念を掲げる、一部上場経営コンサルティング会社に入社。入社後、営業推進本部にてフランチャイズの加盟開発に従事し、1年目から同期約100名中トップの成績を収めるほどの優れた実績を創出。その優れた成績が認められ、新卒2年目という異例の速さで営業全20チームの最年少リーダーに大抜擢された。

2004年には同社の新規事業であった、子どものやる気を作る教育プログラム「7つの習慣J®」事業に加入。2011年にFCEエデュケーションとして親会社からスピンアウトする形で独立する。2014年にはFCEエデュケーション学習事業部の事業部長に33歳で就任。2016年にはFCEエデュケーションの取締役となる。2018年に同社の代表取締役社長になり、2019年にはFCE Holdings(現FCE)の取締役に就任した。

世界的ベストセラー『7つの習慣』から教育事業がスタート

FCE(2)

FCEグループの起点は、2004年に私が加入したFCEエデュケーションです。始まりはとてもユニークで、同じFCEグループの会社であるFCEの代表の石川が『7つの習慣』というビジネス本と出会った事でした。

この本は世界で4000万部、国内で250万部の売上部数を誇る世界的ベストセラーです。過去の成功者の共通点を調べた著者のスティーブン・R・コヴィー博士が「成功者には共通点がある」ことに気づき、その習慣を体系的にまとめています。愛読している著名人も多く、年収1000万円以上のビジネスパーソンが選ぶ「印象に残ったビジネス書」でも1位に選ばれるほどです(プレジデント誌)。

この書籍に出会った石川は内容に感銘を受け、「この考え方を幼少期から知っていたら人生が大きく変わったかもしれない!子どもたちにこそこの本を伝えたい!」という想いを抱いたのが、FCEエデュケーションの始まりでした。

しかし、当時の周囲の反応はとても厳しいものだったといいます。「理想論だ」「そんなの無理だ」という反対の声ばかり。そんな時でもチャレンジするのが石川です。周囲や会社だけでなく『7つの習慣』に関する事業を推し進める、フランクリン・コヴィー社も説得しました。そうして2004年、私が入社した一部上場コンサルティング会社の新規事業として誕生したのが「7つの習慣J®」事業でした。当時はゆとり教育の反動で学力が重要視され、学習塾が非常に盛んな時期だったため、私たちは学習塾において学力だけでなく「人間力も学べる環境をつくろう」というコンセプトで、子どもたち向けに「7つの習慣J®」の展開をスタートしました。

私たちは教育のプロではないので、当然教育に関する経験も乏しい状態で、当初は学習塾関係者から驚きの声が多く上がりました。それでも諦めずに挑戦し続けていくにつれ、賛同してくれる人々が増えていき、2023年11月現在、累計33万人の子どもたちが受講するサービスへと成長しました。

人手不足をきっかけに売上の半分を占める「ロボパットDX」を開発

FCE(5)

FCEグループの中でも次に成長してきたのがFCEトレーニング・カンパニーという、人材育成や企業研修を支援する会社です。FCEエデュケーションで培った「難しいことを分かりやすく伝える」や「行動変革を促す」というノウハウを生かしたことで多くのお客様から好評をいただき、これまで約4500社の企業に、研修やコンサルティングなどのサービスを提供しています。現在FCEトレーニング・カンパニーで注力しているのは、人事DX(HRDX)の分野です。中でも人材育成のプラットフォームである「Smart Boarding」は多くの企業に導入いただいております。

そんな中、お客様から人手不足に関するお悩みを頂くようになりました。それまでFCEトレーニング・カンパニーでは、お客様へマネジメントや生産性向上研修のコンサルティングを提供してきましたが、研修の効果や効率化の努力だけではなく、新たなテクノロジーなどを取り入れ、業務効率を見直していく必要性も感じていたのです。

その時に、同じFCEグループのFCEプロセス&テクノロジーという、DX推進事業を行う会社で社長をしている永田が「こんなビジネスはどうだろう」と持ってきたのが現在の主力事業であるRPAでした。RPAとはロボティック・プロセス・オートメーションの略で、パソコン上の作業をソフトウェアロボットが自動化してくれるツールです。そこで出来上がったのがRPAツールの「ロボパットDX」でした。現在「ロボパットDX」は当社の売上シェアの半分を占め、導入実績も2023年11月時点で1192社を突破しました。2023年5月には「ITreview Best Software in Japan 2023」で「最強ITツール」として約7300製品中、第1位の称号を頂くほどのサービスへと成長を遂げたのです。

「ロボパットDX」が成功した要因は、大きく2つあると考えています。1つ目は大企業向けだったRPAを「中小企業向け」に展開したことです。以前のRPAは高度な技術力や専門知識かつ大規模な初期投資が必要で、中小企業にとっては導入が難しいものだったのです。しかし本来RPAが必要なのは、人手不足に苦しむ中小企業のはず。「この需要と供給のアンバランスさに商機があるのでは」と考え、中小企業向けのRPAを開発しました。

そして2つ目は充実したサポートです。私たちの目的は「ツールを提供すること」ではなく、その先にある「お客様の生産性向上」です。お客様にご活用頂き、生産性向上に繋がるまでが私たちのサービスなのです。そのため、活用するために必要な様々なサポートを無料で提供しています。これができるのは長年、教育事業や研修事業に携わり人財や組織力強化に取り組んできたFCEグループだからこそです。

社会課題を解決するために事業内容を変えていく

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FCEグループの最大の魅力は「目指す姿に向けて、すべての事業が一貫している」ということです。すべての事業は、私たちの想いである「チャレンジあふれる未来をつくる」ために繋がっています。すべての事業が「『人』×『Tech』で人的資本の最大化に貢献する」というミッションにもある、人的資本の最大化に向けた社会課題を解決するために生まれてきました。「ロボパットDX」は深刻化する労働人口不足という社会課題に対峙するものです。また、私たちが扱っている「7つの習慣J®」も「子どもたちの主体性・チャレンジ精神の低さ」という社会課題を解決したい想いから生まれました。また、人材育成のプラットフォームである「Smart Boarding」もリモートワークが主流となり、ワークスタイルが大きく変化する中で、生まれたサービスです。「これまで対面で行っていた人材育成に、新たなスタンダードを生み出したい」と考え、展開してきました。

このように、私たちはビジネスを通じて社会課題を解決します。現状の課題だけでなく、未来を切り拓くために必要なことを考え、時代の変化の先取りを行い、これからも新しい事業への挑戦を続けていきます。つまり社会課題によって、流動的に事業の形を変えていくのです。それが私たちFCEグループの面白みでもあります。

困難に立ち向かえる人と一緒に働きたい

FCE(3)

私たちは、新しい風を吹かせてくれる新メンバーを常に求めています。求めているのは「泥臭く逆境に立ち向かい、困難を乗り越える強い意志を持つ人」です。私は困難を目の前にした時こそ、次なる成長に向かって前進できるタイミングだと信じています。目標達成のために、どんな時も強い意思を持って立ち向かえる人だけが、次のステージに進めるのです。楽な道を選ぶ人が多いですが、逆境の中でこそ成長が試されると思います。組織にとっても、困難に立ち向かう人は重要な存在であり、共に働けることは、組織の強化に繋がるはずです。

最後に学生の皆様へ。私は「自分の夢がないことは決して大きな問題ではない」と思っています。夢や目標が見つからなくても大丈夫です。皆さんにとっての夢や目標は、いつ見つかるかわかりません。今あなたの目の前にある目標に全力で取り組み、新しい目標を見つけるために常に進んでいけば良いのです。どんな小さな一歩でも、それが次のステップへのヒントになるかもしれません。自分の道を見つける旅路は、挑戦と発見の連続です。とにかく歩を止めず、進み続けていきましょう。

 

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