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【日本をリードする経営者・砂田和也の挑戦】公認会計士の使命を追求した先に

SAMURAI CEO2025

Uniforce株式会社
代表取締役CEO / 公認会計士

砂田 和也

山形県出身。有限責任あずさ監査法人で、主に法定監査、IPO支援、 M&A等を担当。その後、2017年税理士法人事務所wimgを設立、続けて2020年8月にUniforce株式会社を設立し、代表取締役に就任。クライアントの税務顧問として関わる中で、法人内の新規受嘱審査がなかなか通過しない現実にジレンマを抱き、IPOを望むベンチャーに監査法人の監査や上場審査に耐えうる体制整備を支援したいと強く感じていた。それらの課題を解決に導くため「SaaS×コンサルティング」DXサービスを次々に展開。今後も新たなDXサービスを準備中。
2016年公認会計士登録、2017年税理士登録

トライアンドエラーを繰り返し会社を設立

私が起業をしようと思ったのは大学在学中です。在学中に公認会計士の資格を取っていたので、会計士として独立して自分の事務所を持つんだろうな、とぼんやりと考えていました。

また、その時から公認会計士の使命である「国民経済の健全な発展に寄与することを使命とする」とはいったい何なのか、その答えについて考えるようになりました。

ただ、その頃は起業に対して明確なビジョンを持っていたわけではなかったので、まずは会計士の腕を磨こうと思い、あずさ監査法人に入所することにしました。

あずさ監査法人では、さまざまな業務を経験できた半面、縮小していく企業もたくさん見届けなければなりませんでした。成長できずに縮小してしまう企業はガバナンスが不十分であるケースが多かったため、その部分をサポートすることで企業が持続的に成長し続けられる環境を作りたいと思ったのが起業のきっかけとなりました。

そして、あずさ監査法人に入所してから3年半が過ぎたころ、会計士二人とエンジニアと私の4人で起業をすることになります。

とはいえ、独立を決めて退所した後もよりたくさんの業務を経験しましたが、対応できる企業の数や規模が少なく、ここでも「自分は会計士の使命を果たせているのかどうか」と疑問を持っていましたね。

加えて、当時はまだまだ見通しの甘かった私は、この会社を軌道に乗せることはできず、解散することとなってしまいました。

この時の経験から「最初は1人で始めてみよう」と思い、立ち上げたのが現在のUniforceです。ただ、Uniforceの立ち上げもスムーズだったかと言えばそうではなくて、コンサルティング会社をしながら、どんな事業にコミットしていこうか、どうやって社会に貢献していこうか、自分はどうしたいのかということを考え続け、1年が過ぎた頃にようやく事業の形が見えてきたという背景があります。

この頃には、信頼できるメンバーにも恵まれ、私はようやく会計士の使命を深く理解し、自分の答えを出せるようになったのです。

満足していただけるSaaSを検討した結果

弊社が行っている事業は、大きくクラウド型サービスとコンサルティングサービスの2つで、それぞれにIPO準備の簡略化サービスと決算開示のマネジメントサービスがあります。

これらのクラウド型サービスとコンサルサービスは基本的にセットで販売しています。なぜかというと、SaaSだけで100点を取れるサービスはほとんどないと考えているからです。SaaSを提供しながらコンサルサービスで伴走支援していくことで、100点のサービスに近づくと思っています。

また、コンサルというとBPOだったり、指示出しだけをするようなイメージが強いと思うのですが、弊社の場合は実際にコンサルタントが手を動かしたり、口を出したりして、より密に伴走していくというのが特徴です。

加えて、競合にはない自社の強みという点では、幅広いサービスラインを揃えているということも強調したいです。世の中には、バックオフィスの支援をしているコンサルティング会社や税理士事務所、会計事務所がたくさんありますが、ここまでサービスが充実しているのは弊社だけではないかと思います。

なぜそんなサービスが実現できるのかというと、私自身や弊社メンバーの経験が豊富だからです。公認会計士として上場を経験していたり、証券会社の公開引受部にいたり、銀行の融資をしていたりしたことがあるメンバーがいることで、各サービスを充実させることができています。根本として、優秀で経験豊富なメンバーがいることは弊社の強みですね。

そのほかの弊社の強みとしては、開発力も挙げられます。弊社は社員の40%がエンジニアなので、クライアントからのフィードバックに対する修正や、新規開発はかなりスピーディに行えていると思います。これも優秀なメンバーがいるからこその強みですが、スピーディに物事を動かせるのはスタートアップのいいところでもありますね。

これらの強みを活かしてサービスを提供した結果、実際にクライアント様からもご好評をいただくことも多いです。特に、UIやUXは非常に高評価で、直感的に使える点やタスク管理やスケジュール管理、資料・データ管理がしやすいという点でポジティブな声を多くいただいています。

日本の経済を背負って立つ人のサポートをする

少し話は反れますが、冒頭にもお伝えした通り私は会計士の使命である「国民経済の健全な発展に寄与することを使命とする」ということを大切にしています。さらに深堀すると「国民一人一人の生活水準や生活の質を向上すること」こそが、会計士の使命だと思っています。

その使命を果たすために私が今後実現したいことの一つとして、会社が事業に自由にコミットできる環境を整えたいというものがあります。なぜかというと、バックオフィス業務は会社のフェーズによってはどうしても社長や役員が行わなければならない時期が存在するからです。特に、スタートアップの時や上場の時などはそうでしょう。ですが、元々バックオフィスの部分を作り込んでおけば、社長や役員が本当に集中したいところに集中することができますよね。

 社長や役員が会社の規模を拡大して利益を上げることに集中できれば、会社は成長できます。会社が成長すれば、従業員の給料が上がり結果的に「国民一人一人の生活水準や生活の質を向上すること」を実現できると考えているのです。

さらに言えば、会社の成長を加速させるには外部環境を整えて世界と戦う必要があります。その点で、世界で戦わなければいけないプレイヤーたちが、バックオフィスで時間を奪われるのは経済的デメリットでしかありません。だからこそ、弊社がその部分をサポートできたらなと思っています。

1989年には、当時日本電信電話公社という名前だった現在のNTTが時価総額ランキングで1位を取っていましたが、今では31位や30位にまで落ちています。ですが、本来日本の企業は世界の1位を取れる実力を持っているので、雑多なことは私たちに任せて、能力のある人たちには世界と戦ってほしいというのも、私の願いでもあります。

仕事にコミットをして会社も自分も成長させていく

バックオフィス領域というのは、業種関係なく、すべての業界に共通してある部分です。仕事を木に例えると、バックオフィス領域は幹に当たる部分ですね。

そのため、弊社にいることで会社の根幹部分や、会社が成長するうえで必要なことが何なのかを学ぶことができます。また、弊社の場合、例えば営業やプロダクトの開発メンバーとして入ってきたとしても、本人が手を挙げればコンサルタントの人員にジョブポスティングしますし、マーケティングに手を挙げればマーケティングにジョブポスティングすることもできます。なぜかというと、バックオフィス領域の人材が少ない中で、他のポジションでも経験値を積むと、元の業種に戻った時にさらに腕に磨きがかかるからです。バックオフィスだけでなく、ほかの視点から物事を見れるようになってほしいというのもありますね。 ただ、弊社は個人の自由度が高い反面、パフォーマンスを出せなかった時に厳しい評価をつけられてしまうところはあります。そのため普段から、周りを巻き込んで協働・競争しながら仕事をして欲しいと伝えています。

また、弊社はスタートアップの会社なので、スピード感と柔軟性を持っている人でないと、周りから遅れてしまう可能性はあります。プロセスが大事、結果が大事と会社のフェーズによって回答は変わりますが、弊社の場合は結果を追い求めた上でのプロセスを大事にしています。

プロセスを評価しないわけではありませんが、まず自分の頭で考えて行動することが大切です。そして失敗をしたとしても、言い訳や反論はしないこと。どうして失敗したのかをまとめて相談してくれれば、私たちもどうしたらうまくいくのかの提案をしています。トライアンドエラーをスピード感をもってできる人なら私は好感を持てますし、成長できると思います。 

あとはその人がどんな時間の使い方をしているか、ですね。誰しも1日に与えられた時間は24時間しかありません。仕事に取り組む時間にどれだけ集中して責任を持ってコミットできるか。そういうことを考えられる人と、私は一緒に働きたいなと思っています。